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米・オバマ政権 核戦略体制の見直しを発表

2010年4月7日 9:16

 アメリカ・オバマ政権は6日、核戦略体制の見直しを発表し、新たな核実験は行わないとしたほか、核兵器の使用条件を限定することを明らかにした。

 オバマ政権は6日に公表した見直しで、「核兵器はテロ攻撃に対しては役に立たない」などと指摘し、今後、新たな核兵器の開発や核実験は行わないと明言した。さらに、核拡散防止条約(NPT)を守る核を持たない国が生物化学兵器などで攻撃してきても核兵器は使わないと宣言、核兵器使用の条件を大幅に限定した。一方で、NPTからの脱退を表明した北朝鮮や、核開発を続けるイランに対しては核兵器を使う可能性を残している。

 今回の見直しは、核兵器の役割を低下させる内容を盛り込んでおり、アメリカはこれまでの核戦略を大きく転換した。オバマ政権は「核なき世界」に向けて、さらに踏み出した。アメリカとしては、核軍縮の姿勢を明確にし、核安全保障サミットなど核をめぐる会議で主導権を握りたい思惑もある。