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イランが核廃絶会議、その狙いは?

2010年4月18日 10:34

 核兵器開発の疑惑を持たれているイランが17日、逆に核廃絶を呼び掛ける国際会議を開いた。先週、アメリカ・オバマ大統領の主催で開かれた核セキュリティーサミットに対抗したこの動き、イランの思惑はどこにあるのか。

 「IAEA(国際原子力機関)は『核兵器の保有をやめさせる』という本来の義務を果たすべきで、核の平和利用を進める(イランのような)国に対しては支援するべきだ」-会議の冒頭、アハマディネジャド大統領は、イランの核開発は平和利用が目的であると訴えた。

 会議では、日本の被爆体験もテーマにされた。会場の脇に設置されたパネルには、唯一の核使用国であるアメリカを批判する根拠として、広島・長崎の原爆被害が示されていた。会議には、イランへの追加制裁に向けて鍵を握る中国、ロシアからも代表団が参加したが、こうした国々を前にアメリカの非を訴え、自国の核開発に理解を求めたいというイランの思惑が読み取れる。

 その中国とロシアの代表は、会議場の外で長時間にわたって協議を行った。

 一方、イラン政府内では中国への期待は根強いようで、イラン外務省・メフマンパラスト報道官は「イランと中国は良好な関係にある。欧米の国は『中国が制裁に賛成だ』とを言っているが、真実ではない」と述べた。こうした制裁回避への楽観論を背景にイランはあくまで核開発を加速させる構えで、会議の演出をよそに国際社会との溝は一層深まりそうだ。