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イランが核軍縮会議 強気の姿勢の理由は

2010年4月19日 2:16

 核兵器開発疑惑で批判を受けるイランが呼び掛けた核軍縮会議は、欧米批判に終始して閉幕した。イランが強気の姿勢を崩さないのはなぜか。現状を富田徹記者が取材した。

 モッタキ外相は18日、会議で「一部の国のせいで、核兵器をめぐる秩序が保たれていない」と述べて、アメリカ批判のボルテージを上げた。また、会議の傍ら、イラン・テヘラン郊外では軍事パレードが行われた。

 記者がテヘラン市内のショッピングモールを訪れると、外国製品があふれており、禁輸措置が取られているはずのアメリカ製のコンピューターが置いてあった。さらに「Windows7」の違法商品もあった。

 没交渉を逆手にとるしたたかさも見せる一方で、国内には制裁の影響を懸念する声もある。産油国にもかかわらず、石油精製施設が少ないイランにとって、ガソリンは輸入が頼りだ。

 会議で、イランは核開発は平和利用が目的だと繰り返した。追加制裁の回避に向け、少しでも多くの国から支持を取り付けたいという思惑が見える。しかし、外相などを送った国はごく少数にとどまった。逆に孤立が深まるイランの状況が浮き彫りになったといえる。