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どうなる増税 菅新首相の発言などから検証

2010年6月5日 14:30
どうなる増税 菅新首相の発言などから検証

 「4年間は上げない」-鳩山前首相は、消費税率の引き上げをきっぱり否定していたが、菅新首相は増税についてどのような考えなのだろうか。これまでの発言などから検証した。

 「金を循環させれば日本経済は良くなる。増税で景気は良くなる」-これは4月12日の会見での発言で、菅新首相は増税に前向きな姿勢を見せた。

 1月に財務相に就任した当初は、消費税などの増税について、議論することさえ否定的だったが、2月には税制調査会の専門家委員会で、消費税を含む税制抜本改革の議論をスタートさせた。4月に入ってからは、増税しても環境や医療、介護などの成長分野に投入すれば、新産業が拡大して雇用が増大し、それが経済成長につながるとの持論を展開し、消費税を含めた増税に前向きな姿勢を示し始めた。

 菅新首相の姿勢転換の背景は、G7(=主要7か国)の財務相・中央銀行総裁に財務相として初めて参加し、ギリシャの財政問題の深刻さを目の当たりにしたことがある。一方で、参議院議員選挙で野党から「財政に無責任だ」と責められないようにするためだという政府関係者もいる。

 参院選を前に、菅新首相は消費税などの増税について、時期や引き上げ幅などをどれだけ具体的に示すことができるのかが焦点となる。