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世界初…海に浮かぶ原発の進水式 ロシア

2010年7月1日 10:05

 海に浮かんだ状態で発電する、世界で初めての移動式の原子力発電所「ロマノソフ号」が先月30日、ロシア・サンクトペテルブルクで進水式を迎えた。

 この原発は、発電所の建設が困難な地域や災害に遭った地域のために開発された。海に浮かんだ状態で発電して、陸地に電気や暖房用の温水などを供給する。建造は3年前にスタートし、地上の発電所と同じように原子炉は5重の安全システムで守られる。搭載する原子炉は潜水艦や砕氷船で使われているタイプで、出力は2基で7万キロワット、20万人に電力を供給できるという。この原発に対し、既にヨルダンなど12か国が購入を希望している。

 一方で、核の管理が難しくなると指摘する声もある。環境保護団体「グリーンピース」の核問題担当者は「搭載している核物質は約1トン。テロリストにとっては甘い獲物です」と話す。

 ロマノソフ号は今後、原子炉のチェックや発電システムの整備などを行い、2年後の稼働を目指す。