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日本経済の成長のカギは?財界トップに聞く

2010年7月24日 22:05
日本経済の成長のカギは?財界トップに聞く

 毎年恒例の日本経済団体連合会の夏季セミナーが22~23日に行われた。企業のトップからは景気の先行きに危機感を抱く声が聞かれる中、今後、日本経済が成長するカギとは何か、聞いた。

 「ソニー」の中鉢良治副会長は「人がやっていないものをいち早くやる。人がやっていることでも、人より早くやる、大きくやる」と話し、「全日本空輸」の大橋洋治会長は「行動しかない。スピーディーに行動する、スピーディーに決定する」と述べた。

 成長のカギとして、多くのトップが注目していたのは、日本が培ってきた「技術力」と「アジア」だ。「小松製作所」の坂根正弘会長は「建設機械にGPS(=全地球測位システム)を搭載して、通信機もやっている。建機でも、ICT(情報通信技術)が実現しつつある。そういう面で日本の出番がある」と話し、「日立製作所」の川村隆会長は「アジアベルト地帯、中産階級が増えてきたところで、これから社会インフラが伸びていく分野で世界メーカーと戦いながらやっていく」と述べた。

 ただ、日本の技術を海外に売り込むためには政府のサポート体制が欠かせないと、新幹線技術の輸出を目指す鉄道会社のトップは語る。

 「JR東日本」の大塚陸毅会長「(政府の支援体制が)韓国、中国はすごく進んでいる。そういうところと戦っていく体制作りを日本も考えるべきでは」

 日本が持つ技術とアジア市場、この2つのカギを成長につなげるためには、政府によるサポート、成長戦略の速やかな実行が求められている。