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キルギスで議会選 不安定な状況続く可能性

2010年10月11日 18:25

 民族衝突によって多くの犠牲者が出たキルギスで10日、中央アジアで初めての議会制民主主義を目指す国会議員選挙が行われた。しかし、単独過半数を占める政党がなく、不安定な状況が続く可能性がある。

 日本時間11日午後4時現在、開票率は91.9%で、現在の暫定政権に批判的なアタ・ジュルト党がリードしているが単独過半数には届かず、今後、連立をめぐって政党間で調整が行われる見通し。

 キルギスでは今年4月、バキエフ前大統領の国外追放をめぐってキルギス系と少数派のウズベキスタン系住民が衝突し、400人以上が死亡した。この対立をきっかけに、暫定政権は権力を独占する大統領制から議院内閣制への移行を決め、10日に選挙が行われた。しかし、民族間の不信感は根強く、結果次第では再び混乱の起きる可能性が指摘されている。

 キルギスは、アメリカ軍とロシア軍の基地が同居する世界で唯一の国。選挙結果によっては、米ロの戦略にも影響が及ぶものとみられる。