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日中防衛相会談、関係改善で合意

2010年10月12日 9:12

 北沢防衛相は11日、訪問先のベトナム・ハノイで中国・梁光烈国防相と会談し、両者は関係改善で合意した。沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突事件から中止されていた日中の閣僚レベルの交流が再開された。

 会談は、国際会議関連の行事の合間をぬって20分間行われた。尖閣問題について、北沢防衛相は「日本側の立場は伝達済みで、ここで議論するのは生産的でない」として、具体的な主張をしなかった。梁国防相も、漁船の船長の釈放を念頭に「適切な処理が行われたことをうれしく思う」と応じるにとどめ、互いに尖閣問題での深入りを避けた。その上で、事故防止のための海上連絡システムを早い時期に構築することで一致した。

 一方で中国側は、北沢防衛相が年内の中国訪問を希望したのに対し、「関係が全面的に回復してから」と述べるにとどめたほか、海上自衛隊の練習艦隊が今月に予定している中国への寄港には難色を示した。

 北沢防衛相は「会談が実現したことは一歩前進」としながらも、中国側の姿勢について、「完全には前向きにはなっていない。もう少し時間が必要との印象を受けた」と述べた。

 両国の首脳が関係改善で合意したとはいえ、今回の閣僚レベルでの会談では、中国側は交流に消極的な態度を見せ、関係の回復が簡単にはいかないことをうかがわせた。