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中国の反日デモ、17日も発生

2010年10月18日 1:56

 沖縄・尖閣諸島の問題をめぐり、中国では17日も日本に抗議するデモが起きた。大規模なデモが起きた陝西省西安にカメラが入った。藤田和昭記者が報告。

 兵馬俑(へいばよう)で有名な観光地・陝西省西安市では、日本のスポーツ用品を扱う店の前に人だかりができた。学生とみられる若者の姿が多く見られる。店のガラスは割られ、ロゴも棒でたたき落とされ、店の外にジャージーや靴が投げ上げられた。現場に居合わせた日本人は「スポーツウエアを持ち出して上に投げた。『燃やせ燃やせ』とかけ声を上げていた」と話す。また、車体やガラスがボコボコになり、ひっくり返された乗用車も見かけられた。車は「トヨタ自動車」製で、標的になったとみられている。中国国営・新華社は「7000人以上の学生らが平和的に行進した」と報じたが、一部が暴徒化したことは明らかだ。

 一方、四川省成都の繁華街では17日、前日に起きた反日デモで窓ガラスを割られた「イトーヨーカドー」が予定通り開店した。武装警官らが周辺を巡回して集まろうとする人を排除するなど、周辺は緊迫した雰囲気に包まれた。

 今回のデモは、共産党の最高幹部らが人事や政策を話し合う年に一度の重要会議の真っ最中に起きた。中国政府関係者は「会議のため、主要都市では厳しく取り締まったようだが、内陸部では反日デモが認められた」と述べ、尖閣諸島沖の漁船衝突事件で高まった「反日感情のガス抜き」であることを認めている。ただ、一部参加者の暴徒化を見てもわかる通り、中国当局がすべてをコントロールできているわけではないようだ。

 反日デモを放置すれば、その矛先が自分たちに向けられる恐れもあり、全土に飛び火するような事態は中国当局も絶対に認めないとみられる。