政府の緊急経済対策を盛り込んだ今年度補正予算案は１６日午後の衆議院本会議で、与党側の賛成多数で可決され、参議院に送付された。

　円高・デフレに対応するため、約４兆８０００億円の経済対策を盛り込んだ今年度補正予算案は１６日午後２時過ぎ、衆議院本会議で与党と社民党などの賛成多数で可決され、参議院に送られた。参議院では野党が多数を占めているが、憲法の規定により衆議院の議決が優先されるため、今年度補正予算案は成立が確定した。

　今年度補正予算案は１５日に採決される予定だったが、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件の映像を公開するかどうかをめぐって与野党が対立し、採決は１６日に先送りされた。また、地方交付税をめぐる補正予算関連法案については、与党などのほか、公明党も賛成に回って可決された。

　菅内閣の支持率低下もあいまって、終始、野党ペースで進む国会審議の状況に、民主党幹部からは「自民党になめられている。これでは来年の通常国会は乗り切れない」との声が早くも出ている。