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ハイチ地震から1年 復興支援に邦人女性も

2011年1月13日 22:10

 31万人以上の犠牲者を出したハイチの大地震から、12日で1年がたった。首都・ポルトープランスでは、地震が発生した午後4時53分、倒壊した大統領宮殿の前に集まった約300人が黙とうをささげた。

 10年1月12日、ハイチをマグニチュード7の大地震が襲った。被災者は人口の3分の1にあたる300万人で、ハイチ政府によると死者は31万人を超えた。

 震災以降、行政の機能はマヒ状態が続いている。震災当時のまま建物は放置され、川はごみで埋め尽くされている。汚れた水は、新たな悲劇を生んでいる。

 不衛生な水を飲むことなどが原因で、ハイチでは去年10月からコレラの感染が広がっている。これまでに18万人が感染し、3700人以上が死亡した。

 次々とコレラの感染者が運び込まれる施設で、日本人女性が働いている。京寛美智子さん(34)は去年11月、「国境なき医師団」の看護師としてハイチに来た。「どこからともなく湧いている水で洗濯したり、水をくんだり。安全な水になかなか手が届いていないんだなと思う」と話す。

 ハイチの人に安全な水を届けるため、奮闘する日本人女性もいる。加藤奈保美さん(36)は08年、勤めていた会社を辞めて、災害支援を行うNGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」に参加した。ハイチでは、被災者に衛生面での指導などを行っている。

 加藤さんは、水道が整備されていない郊外の村を訪ねた。そこでは一つの場所で、動物が水を飲み、人間が洗濯をし、飲み水をくんでおり、不衛生な湧き水を飲む人が後を絶たない。加藤さんたちは、この村に蛇口から水が取れる給水設備を造る計画を進めている。

 加藤さんは「最初の3か月間はものすごい勢いで復興していたが、色々な要因があって、そこからはなかなか進まないジレンマがある」と話している。

 地震から1年。震災の傷は今も癒えてはいない。