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ハイチ大地震から1年 雇用も大きな問題に

2011年1月16日 15:16

 31万人以上が死亡したハイチ大地震から12日で1年。進まない復興と貧困の中で人々は立ち上がろうとしている。

 ハイチには、今も至る所に避難民キャンプがある。NGO(民間活動団体)が設置した水のタンクが壊れて水が出なくなるなど、地震の直後には手厚かった支援が、数か月で途絶えた場所もあった。

 人口の約7割が失業中で、雇用も大きな問題となっている。ゴミ処理場では、人々が生活のために鉄くずを拾っていた。もともとの貧困と震災で、職探しは容易ではない。

 こうした中、ようやく仕事を見つけられた人もいる。カサンドラ・ピロヌーさん(21)は、地震で家を失ったが、友人の紹介で美容室で働き始めた。

 カサンドラさんは、1年ぶりに自宅のあった場所を訪れた。地震で父親を失い、自らも6時間、ガレキの下敷きになっていた。今もトラウマが残っている。「(でも、生き残ることができて)神様を信じるようになった。高校を卒業して、自分の家庭を持ちたいです」と話すカサンドラさんは、1年たって、ようやく前向きに生きようと思えるようになった。

 一方、赤十字がつくった仮設住宅では、最近、やっと入居が始まった。建設しているのは地元の人たちで、「以前は画家でしたが、地震後に失業して、今は大工の仕事を学んでいます」と話す人もいた。

 いまだ深い傷痕の残るハイチでは、自立への動きが少しずつ始まっている。