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公的年金の支給総額、初めて50兆円超える

2011年1月25日 17:49

 09年度の公的年金の支給総額が、初めて50兆円を超えたことが厚労省の調査でわかった。

 09年度、会社員とその家族が加入する厚生年金や自営業者らが加入する国民年金、遺族年金など全ての年金の支給総額は08年度比で約1兆4000億円(2.8%)増え、50兆3000億円だった。景気の悪化で名目GDP(国内総生産)が下がる中、初めてGDPの1割を超えたことになる。

 また、年金を受給する人は08年度比で3.1%増えて3703万人となり、年金を支払う側の加入者は0.9%減って6874万人だった。現役1.86人で1人の受給者を支える形。

 今後、団塊の世代が年金を受けとる65歳になり、支給に必要な額が増える一方で、少子化や経済状況の悪化で保険料の支払総額は減るとみられ、制度維持が難しい状況が予測されている。

 先週、与謝野経財相が年金支給開始年齢の引き上げに言及したが、細川厚労相は25日朝の会見で「中長期的なことについては別途協議する」と述べ、政府が11年6月までに結論を出すとしている社会保障と税の一体改革の中では議論しないという見方を示した。