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通常国会スタート 求められる政策論議

2011年2月1日 20:32
通常国会スタート 求められる政策論議

 ついに通常国会がスタートし、everyday@永田町のコーナーも復活しました!今年の自民党はどのように攻めるのでしょうか?これは党大会前の恒例イベント「自民党屋台村」です。「しげる亭」なんて名前の屋台もありますよ。また、お好み焼きもありますね。そういえば確か去年は、大島幹事長(当時・現副総裁)がお好み焼きのかえしで失敗してしまい、幸先悪いスタートでしたが今年は?石原幹事長が挑みます!「民主党ひっくり返す!成功しました~」と、お見事です。今年こそ良いことあるといいですね。

 そんな勢いづく自民党に対して菅首相は施政方針演説で「今度こそ、熟議の国会となるよう国会議員の皆さまに呼びかけたい」と訴えます。「ねじれ国会」ですからね~。今年こそ「熟議の国会」にしたいところです。去年は大臣の資質に関わる問題や、相次ぐ問題発言、政治とカネの問題などで、政策はどこへやら…。今年こそ政策論議、建設的な議論をして、良い政策の実現をお願いしたいところです。

 それでは早速、1月26日に行われた注目の代表質問の議論を聞いてみましょう。まずは小沢さんの問題です。自民党・谷垣総裁は「『小沢斬りごっこ』に付き合うつもりはありません。証人喚問を実現すべきと考えますが」と切り込みます。それに対して菅首相は「結果的に実現していないのは残念に思っています。各党各会派で議論して頂きたい」と応じます。あれ?この答弁、去年と代わり映えがしません…。

 さらに、谷垣総裁は「バラマキのための財源調達を手伝うわけにはまいりません」と、予算の中身は、いわゆるバラマキだと批判します。それについて菅首相「バラマキでは決してありません。」と声を荒らげて反論。しかも「その財源は事業仕分けで徹底的な無駄削減を行って、しっかり確保しております」と言い切りました。え?そうなのぉー?そして、谷垣総裁の「マニフェスト実現の状況が惨憺(さんたん)たるもの」と、マニフェストが全く実現できてないと指摘したのに対し、菅首相は「22年度予算、23年度予算を通じて多くのマニフェスト政策が実現している」と反論ばかり。ところが最後には「改めて野党の皆さんにお願い申し上げます」と、超党派の議論をちゃっかりお願いしていました。

 とはいえ、この代表質問、自民党だって…。谷垣総裁は「直ちに衆議院を解散すべきことになるはずですが」「解散して国民に信を問い直さなければなりません」「解散総選挙を菅政権に強く求め」と、「解散」「解散」「解散」ばかり。話し合ってなんかいられない、とにかく解散しろの一点張りでした。そんななか、自民党・小泉進次郎議員は「正直言ってね、あんまりね、解散、解散ばっか言わない方がいいと思うんですよ。国民が解散を望み、その声に押されたうえで解散総選挙となる、これが、日本にとってベストシナリオじゃないですか」と、かっこいい発言をしました。

 さて、自民党とは対決姿勢を丸出しの菅首相ですが公明党に対しては「(公明党の福祉社会ビジョン)と、私たちと共通性が大きいと思っています」と、まさに「ラブ注入」です!公明党を協力をお願いしたい最有力政党としています。ところが、菅首相は「もしこれに(社会保障の財源問題などに)野党の皆さんがいろいろな理由をつけて積極的に参加をしようとしないということになるならば、歴史に対する反逆行為だと」と発言。それに対し、公明党・山口那津男代表は「ずいぶん思い上がった言葉使いですね」と述べ、さらに「制度を整えて実施していく責任がある総理大臣が、野党を挑発するとは何事ですか」と、菅首相は発言を鋭く批判され「ラブ注入」はなりませんでした。

 さらに与党は、予算委員会の開催を強行。野党を怒らせたままのスタートです。自民党・武部元幹事長は「熟議と菅総理がおっしゃっていたにも関わらず、横暴きわまりない」と、菅政権を批判。「熟議」を求める側がこれじゃあ先が思いやられます。大事な予算案、こうなると協力を求められる野党は…あれ?野党の席でたった一人、欠席しないで座っている人がいるようですが…社民党の阿部知子議員です。ならば、やっぱり社民党に「ラブ注入!?」ところが社民党・福島党首は菅首相の施政方針演説にこの一言「社民党の気持ちも、国民の気持ちも、届いてないなぁと思います」。

 菅首相は早くも八方ふさがりでしょうか。とにもかくにも建設的な政策論議を求める国民の思い、まだまだ国会に届いてないようです。