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高濃度ヨウ素検出、人体に影響なし~専門家

2011年3月27日 0:31
高濃度ヨウ素検出、人体に影響なし~専門家

 福島第一原子力発電所の放水口付近の海水から基準の約1250倍にあたる放射性ヨウ素が検出されたことについて、放射線医学の専門家は「人体への影響はない」と話している。

 東大病院放射線科・中川恵一准教授は「この海域の海水を我々が飲むことはないし、水道などに入ってくることはない。仮にこの海水を50リットル飲んでも、人体に影響が出る量ではない。海の魚の場合には、ヨウ素をたっぷり含んだ海草を食べていることが多いので、もともとヨウ素に満たされている。新たに放射性ヨウ素が出現しても、これが魚の体に入る割合は低いと考えられる。この海域に近い所でとれた魚についても、放射線の濃度は非常に低いと考えられ、人体に影響が出ることはない。ヨウ素は8日で半減するので、食卓にあがる時期に、仮に微量の放射性ヨウ素が含まれていたとしても、食卓にあがる時期には大きく減っていると考えられる」と話している。

 また、基準の117.3倍の放射性セシウム134と基準の79.6倍の放射性セシウム137が検出されたことについても、「海中のセシウムが魚に移行する割合もさほど高くないといわれている。現時点で心配する必要はない」と話している。