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チェルノブイリ原発公開 現地から記者報告

2011年4月1日 8:51

 チェルノブイリ原発の事故から今月26日で25年になる。その現状をウクライナ政府が報道陣に公開した。現地からモスクワ支局・片野弘一記者が報告する。

 チェルノブイリ原発は、ウクライナの首都・キエフから車で2時間、約100キロの距離にある。原発を中心に、半径30キロの範囲は事故から25年を経た今も、一般人は立ち入ることができない。

 爆発した4号機は現在、放射性物質の流出を防ぐため、コンクリート製の石棺で覆われいる。チェルノブイリ原発の事故状況は運転中のもので、緊急停止後に深刻な事態となった福島第一原発事故のケースとは異なる。チェルノブイリ原発は、出力上昇中の事故で核反応によって臨界に達していた。

 しかし、放射性物質を閉じ込めるためには「福島第一原発でも、チェルノブイリのように石棺で原子炉を覆うしか方法はないだろう」と指摘する専門家の声もあり、ロシア原子力エネルギー研究所のレオニード・ボリショフ所長は「気泡コンクリートによって原発を封じ込めることが必要」と話した。

 4号機を覆う石棺は老朽化は著しく、その石棺をさらに覆う巨大なドームの建設が必要といわれている。放射能を封印する困難な作業が今も続いている。