×

亀裂の汚染水流出、コンクリ注入も止まらず

2011年4月3日 1:44
亀裂の汚染水流出、コンクリ注入も止まらず

 福島第一原子力発電所で、施設にできたひび割れから、高濃度の放射性物質を含む水が海に流れ出していたことがわかった。「東京電力」は2日、流出を止める作業を行ったが、止まらなかった。

 汚染された水が流れ出ていたのは、2号機の取水口の近くにある「ピット」と呼ばれる縦穴で、東京電力によると、ピットにたまっていた水から一時間あたり1000ミリシーベルト以上という高い値の放射線量が測定された。ピットの側面にひび割れがあり、そこから汚染された水が海に流れ出ていた。

 ピットは電源ケーブルが通るトンネルの縦穴で、東京電力では2日、コンクリートを流し込んでふさぐ作業を行ったが、水の流出は止まらなかった。3日朝から別の方法を試みるという。

 第一原発では、汚染された水が継続的に海へ流出しているとみられ、先月30日には放水口近くの海から国の基準の4385倍に上る放射性ヨウ素が検出された。

 一方、2号機では、これまでにタービン建屋内と配管トレンチというトンネルで汚染された水が見つかっている。今回流出が見つかったピットは電源トレンチとつながっている。原子炉から漏れ出した汚染水がトレンチに入り込み、海に流出したとみられているが、どのようにトレンチに入り込んだかはわかっていない。

 また、今回判明したのは流出ルートの一つにすぎない可能性があり、経産省の原子力安全・保安院は東京電力に対し、別の場所で同様に流出していないか確認するように指示した。