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1号機格納容器、窒素ガス注入作業を開始

2011年4月7日 4:51
1号機格納容器、窒素ガス注入作業を開始

 「東京電力」は、福島第一原子力発電所の格納容器の中に水素がたまって爆発する危険を避けるため、6日夜から1号機の格納容器に窒素ガスを注入する作業を始めた。

 1号機の格納容器には、燃料棒が損傷したり、原子炉に注入した水が放射線で分解されたりして水素がたまっている可能性がある。この水素と酸素が反応して爆発を起こす危険をあらかじめ避けるため、東京電力は6日午後10時30分から1号機の格納容器に窒素ガスを注入する作業を始めた。

 7日午前1時半過ぎから実際に窒素ガスが入り始め、経産省の原子力安全・保安院によると、注入後から格納容器内の圧力が上がってきているという。作業が順調に進めば、約6000立方メートルを約6日間かけて入れる予定で、今後、2号機と3号機への注入も検討している。

 東京電力は、窒素ガスを入れる際に放射性物質を含んだ水蒸気やそのほかの気体が漏れるおそれがあることから、今後、放射線量の測定をしっかり行いたいと説明している。

 一方、2号機の海側にあるピット付近のひび割れから流れ出ていた高い濃度の放射性物質を含む汚染水は、特殊な薬剤を注入したことで6日、流出が止まった。東京電力は、汚染水が再び流れ出ることを予防するため、ひび割れ部分をさらに合成ゴム製の板で塞いだという。周辺の海域への汚染の広がりについては、東京電力が福島第一原発の沖合15キロの場所で5日に採取した海水を分析した結果、国の基準の5倍の放射性ヨウ素が検出されたという。