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原発キーワード「放射線を表す単位」

2011年4月8日 4:43
原発キーワード「放射線を表す単位」

 原子力発電所に関する報道、水や食物などへの影響に関する報道の中で、わかりにくい言葉や気になる情報を毎回1つピックアップし、日本テレビ報道局の担当記者が解説する「原発キーワード」。7日は「放射線を表す単位」について、原発事故取材班・田口舞記者が解説する。

 放射線を表す単位には、「放射性物質」がどれだけの「放射線」を出すかを示す単位「ベクレル」と、「放射線」を浴びることで人にどれだけの影響があるかを示す単位「シーベルト」がある。

 この2つの単位の関係を、金に例えて説明する。一つの財布には500円玉1枚と10円玉2枚、もう一つの財布には10円玉5枚と5円玉4枚が入っているとする。一つ目の財布の硬貨の数は計3枚、もう一つ財布の硬貨の数は9枚になる。しかし、前者の合計金額が520円なのに対し、後者は70円。硬貨の数をベクレル、合計金額をシーベルトと置き換えることができ、ベクレルの数値が大きいからといって単純に体への影響を測るシーベルトも大きくなるということではない。

 シーベルトの値は、ベクレルの値を基に、放射線の種類や放射線を受ける体の部位など様々な条件を加味して決められており、ベクレルからシーベルトを単純換算することはできない。ベクレルはあくまでもどれだけの放射線を出すかを示す単位で、この数値の大小を比較しても単純に人体への影響を比較したことにはならない。