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2号機トレンチの汚染水、再び水位上昇

2011年4月15日 17:42
2号機トレンチの汚染水、再び水位上昇

 福島第一原子力発電所で、2号機の「トレンチ」と呼ばれる作業用のトンネルにたまっている、高濃度の放射性物質を含む汚染水の水位が再び上昇している。「東京電力」は水位の監視を続けるとともに、汚染水の保管場所として仮設タンクの設置などを急いでいる。

 福島第一原発では、タービン建屋の地下やトレンチに高濃度の汚染水合計約6万トンがたまっている。大量の汚染水が冷却機能の復旧を妨げていることから、東京電力は2号機のトレンチにたまっていた水660トンを13日、別の場所に移したが、その後、水位が再び上昇し、15日午前7時には移送前と同じ水位に戻ったという。

 この汚染水は廃棄物処理の施設への移送が準備されているが、水漏れなどの点検に時間がかかっていることから、その他の移送先として仮設タンクなどが検討されている。今後、計2万7000トン分の仮設タンクが設置される予定だが、全てのタンクが設置されるのは来月末頃になりそうだという。

 東京電力は1万トンの水が入れられる「メガフロート」と呼ばれる人工島も活用する予定だが、汚染水の移送には時間がかかる見込みで、冷却機能の復旧に向けた作業は難航している。