×

励ますため…ドナルド・キーン氏日本永住へ

2011年4月27日 11:13
励ますため…ドナルド・キーン氏日本永住へ

 アメリカの日本文学研究の第一人者であるコロンビア大学名誉教授のドナルド・キーン氏(88)が、日本への永住を決め、26日に最後の授業を行った。

 キーン氏は、日本の文学作品の翻訳などを通じて日本の文化を世界に紹介してきた。88歳になり、日本への永住を考え始めた時に起こったのが東日本大震災で、震災後、多くの外国人が日本から離れていくのを見て、残念に思っていたという。また、震災で傷ついた日本を励ますために永住を決意、現在、永住に向けた日本国籍の取得を進めている。

 56年間勤めたコロンビア大学での最後の授業では、能の成り立ちについて説明を行い、1時間半の授業を締めくくった。授業の後、キーン氏は「日本の生活が好き。日本人との付き合いが好き。私がしたことは何でもないことだが、一般の人に勇気を与えられたとすれば、素晴らしいことだと思う」と話した。

 キーン氏は8月頃までには東京都のマンションで生活を始め、執筆活動を続けていきたいと話した。