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1号機原子炉建屋の二重扉、開放作業始まる

2011年5月9日 0:54
1号機原子炉建屋の二重扉、開放作業始まる

 福島第一原子力発電所1号機で8日夜、原子炉建屋の二重扉を開放する作業が始まった。9日午前4時頃には二重扉が全開となる見通しで、その後、建屋に作業員が入って放射線量の測定などを行う予定。

 1号機では、原子炉建屋の放射性物質で汚染された空気を排風機という機械で吸い出し、浄化する作業が5日に始まった。「東京電力」は、建屋内部で人が作業できるレベルに放射性物質の濃度が下がったとして、8日午後8時過ぎに排風機を停止し、建屋入り口の二重扉を開放する作業を始めた。二重扉を開放すると建屋内から外部に放射性物質が漏れると予想され、影響を最小限に抑えるため、作業は8時間かけて行われる。東京電力と経産省の原子力安全・保安院は、漏れた放射性物質が周辺の環境に与える影響は小さいと分析している。

 9日午前4時頃に二重扉が全開となった後には、東京電力の作業員と原子力安全・保安院の担当者が原子炉建屋に入り、放射線量の測定を行う。放射線量に問題がなければ、原子炉の水位を測る機械や配管の点検などを行うということで、1号機の原子炉を冷却する新たな設備の設置に向けた作業が本格化することになる。