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5時間半後にはメルトダウン 波紋広がる

2011年5月16日 12:59
5時間半後にはメルトダウン 波紋広がる

 「東京電力」は15日、福島第一原子力発電所の1号機が東日本大震災で津波に襲われた数時間後に核燃料が溶け落ちる「メルトダウン」が始まっていたとの分析結果を明らかにし、波紋が広がっている。

 東京電力は15日、職員からの聞き取り調査やデータの分析を進め、その結果を発表した。それによると、津波が発生した3月11日午後3時半過ぎには、炉心を冷やすための電源が全て失われ、原子炉の水位が急激に下がり始めたという。午後6時頃には、燃料の一部露出が始まり、午後7時半には燃料棒が全て露出する「全露出状態」となった。炉心の温度は融点である1800℃を超えて、燃料棒の被覆管が溶け始め、津波から5時間半後の午後9時には温度が2800℃に達し、メルトダウンが始まったとみられている。燃料棒は、3月12日には大半が溶け落ちて圧力容器の底にたまったとみられている。

 政府は3月11日夜の会見では、「緊急用の冷却装置で対応しており、この段階では放射能漏れのおそれはない」としていた。