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「期限付きの大連立」与野党から発言相次ぐ

2011年6月6日 1:50
「期限付きの大連立」与野党から発言相次ぐ

 菅首相が8月までに退陣する見通しとなる中、5日は「期限付きの大連立」といった退陣後の政権の枠組みに向けた発言が与野党から相次いだ。

 自民党・石原幹事長が4日、期限付きで民主党と大連立を組む可能性に言及したのに次いで、民主党・岡田幹事長も5日、「どこかでテーマ、そして期限を切って与野党が協力すると、そういう形をつくることが私は望ましいと思っています」と述べ、期限を区切った形での自民党などとの大連立が望ましいとの考えを示した。

 国民新党・亀井代表は記者団に「首相自身も私もオールジャパンでいこうという意思は(持っていて)、だから首相が呼びかけたんでしょう、(東日本大震災の復興)実施本部で与野党参加ということを。これはオールジャパンでいこうということですから。(大連立は)私はまさにコンセンサス(意見の一致)になってきておると思いますよ」と述べ、大連立を組むべきだとの認識を示した。

 一方、石原幹事長はあらためて、菅首相は月内に退陣すべきとの考えを示した上で、民主党との連立には、震災復興と社会保障などについて政策的合意が必要だとの考えを明らかにした。

 「ポスト菅」の有力候補の一人に挙げられる前原前外相は5日、自らの対応について、「自分がどうのこうのというのではなくて、誰がトップに座れば一番(他党と)協力ができるのか、そういうものを勘案して判断するべきだ」と述べた。

 こうした動きを受けて、菅首相は5日午後、首相公邸で枝野官房長官、岡田幹事長らと今後の国会運営について情勢分析をした。出席者の一人は「菅首相はいつまでも居座るつもりはない。その日が来るまで淡々と仕事する心境だろう」と述べている。菅首相と4日夜に面会した阿久津幸彦内閣府政務官は記者団に対し、「ずっと首相が続くわけじゃないでしょうから、(菅首相には)その間にやりきれる課題、これだけはやってほしいなどの注文をしました。菅首相は、やりたいことはいっぱいあって、税と社会保障などたくさん夢を語っていましたんで、期間内にできるだけ多くのことをさせてあげたいなと(思う)」と話した。

 民主党内には「今週1週間が勝負だ」という声もあり、今後の政権の枠組みに向けた駆け引きが一層激しくなりそうだ。