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原子力安全委員長「事故は人災」責任認める

2011年6月13日 21:59
原子力安全委員長「事故は人災」責任認める

 福島第一原子力発電所の事故から約3か月が経過した。原子力安全の監視役である原子力安全委員会の班目春樹委員長がNNNの単独インタビューに応じ、「事故は人災だった」と述べ、今回の事故に対する原子力安全委員会の責任を初めて明確に認めた。

 班目委員長「私にとっての3月11日は何であったかというとですね、ある意味で自分の甘さを思い知らされた日なんですよ。頭をぶん殴られた気持ちでしたね」

 また、津波による電源喪失などを想定していなかった原発の安全指針の見直しについては、「そんなに切迫しているものではないと思っていた」と述べ、指針の改定が間に合わなかったことを含め、福島第一原発の事故に対する原子力安全委員会の責任を初めて明確に認めた。

 班目委員長「(Q原子力安全委の責任もあるか)あります。この事故は防げたのではないかという意味では『人災』だと思います。決して防げない事故ではないと思っているんですね」

 事故後の対応については「私なりに懸命にやった。非力だったことは認めますが、懸命にやってきた」と述べ、事故の拡大について直接の責任はないとの認識を示した。また、今後はテロ対策や核不拡散なども含め、原子力の規制や監督を一元的に担う組織が必要だと強調した。

 一方、13日の原子力安全委員会で班目委員長は、安全指針の見直しについて、津波や耐震設計、防災など分野別に専門部会を設置して、今月中にも改定作業を始める方針を明らかにした。