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安全評価で統一見解も、内容は不透明のまま

2011年7月11日 18:21
安全評価で統一見解も、内容は不透明のまま

 停止中の原子力発電所の再稼働をめぐる混乱を受け、政府は11日、全ての原発に新たな安全評価を実施することを統一見解として発表した。しかし、安全評価の具体的な内容は不透明なままで、自治体の困惑は続きそうだ。

 自治体の混乱を受け、枝野官房長官ら関係閣僚は政府の統一見解の取りまとめを急いだ。新たな安全評価は、ヨーロッパで導入された「ストレステストを参考にする」としている。玄海原発(佐賀・玄海町)など現在は止まっている原発は、地震や津波など「設計上の想定を超える事象」に対し、十分な安全性を持っていることが運転再開の条件となることが明確になった。しかし、十分な安全性とは何か、評価にはどれくらいの時間を要するのかなど、11日の発表では明確になっていない。

 また、評価を実施することで原発の再稼働が遅れ、電力不足に陥るおそれはないのかなど、具体的な懸念についても政府の見解は不透明なままで、「政策の遂行能力に欠けている」との指摘も出ている。

 菅首相は近く、自ら記者会見を行い、国民に説明する考えだが、原発の安全性や電力不足への懸念を払拭する丁寧な説明が必要となっている。