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ストレステストの手法、専門家が問題点指摘

2011年7月15日 23:38
ストレステストの手法、専門家が問題点指摘

 経産省の原子力安全・保安院が15日の原子力安全委員会に提出した、国内の原発の安全性を確認する「ストレステスト」の評価手法や実施計画について、ストレステストに詳しい「エネルギー総合工学研究所」の内藤正則部長は問題点を指摘した。

 この計画案は1次評価と2次評価に分かれており、1次評価では、定期点検中で再稼働を待つ原子炉を対象に、想定を超えた地震や津波など4項目で必要な安全水準をどの程度上回っているかを評価する。一方、2次評価では、全原子炉を対象に、1次評価の4項目が複合した場合も想定し、どの程度の事態まで燃料の損傷を防げるかを数値で示すとしている。点検中の原子炉は、1次評価の結果次第で再稼働が可能となるが、あらためて2次評価が必要となる。

 これについて、内藤部長は、地震と津波の連動が2次評価の項目になっているため、1次評価だけでは原発の再稼働を認めるだけの安全性が確保できないと問題点を指摘している。

 内藤部長「そもそも1次(評価)は、福島原発で起きたことを想定して、他の原発でどうかと。地震と津波が連動した時の評価は2次評価にまわされているが、これは1次評価でやるべきです」