中国で２３日夜、高速鉄道の列車同士が衝突し、車両が高架から落ちる事故があった。死傷者はこれまでに２４５人に上っている。

　中国国営・新華社によると、２３日午後８時半頃、浙江省温州で停車中の高速鉄道の列車に別の列車が追突した。事故当時、現場では雷が落ち、追突された列車は線路上で止まっていた。追突した列車のうち、４両が高架から落下し、３５人が死亡、２１０人がケガをした。在上海日本総領事館には、今のところ、死者に日本人は含まれていないと中国側から連絡があったという。

　事故から一夜明けた２４日朝も、壊れた列車からは煙が上がっていて、落下した列車を重機で動かそうとする作業が続いている。また、中国政府は現場に副首相を派遣、胡錦濤国家主席が自ら、人命救助と原因究明に全力で取り組むよう指示した。

　中国では、先月末に北京と上海を結ぶ「中国版新幹線」が開通するなど高速鉄道の整備が急ピッチで進んでいるが、トラブルが相次ぎ、安全面での不安を指摘する声も上がっていた。