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米債務上限引き上げ法成立 デフォルト回避

2011年8月3日 7:45

 アメリカ政府の借金の上限を引き上げる法律が、日本時間3日未明に成立した。債務不履行(デフォルト)は当面回避されたが、アメリカの財政危機は深刻さを増しており、世界経済へのリスクは残ったままとなっている。

 デフォルトをギリギリで逃れるのと引き換えに、オバマ大統領は今回、重い宿題を抱え込んだ。それは今後10年間で、少なくとも2.4兆ドル(約180兆円)を超す財政赤字の削減を了承したこと。

 オバマ大統領「これは最初のステップに過ぎない。今後、与野党で巨額の赤字削減案を一緒に作る必要があるからだ。このことは我が国の経済の健全性を保つために重要なことだ」

 しかし、与党・民主党内に、今後不可欠な社会保障費の削減に強い反発がある他、予算カットでさらなる失業率上昇の懸念も出ている。

 一方で野党・共和党では、財政を健全化して国債の格下げリスクを避けるためにも、さらなる赤字削減を求める声が根強い上に、オバマ大統領が検討している富裕者層などへの増税には徹底抗戦の構えを見せている。そのため、今後の具体的な赤字削減案の策定は、民主・共和両党の対立で混乱も予想される。

 今回は、問題を単に先送りしただけとの冷ややかな見方も出ている。支持率も最新の調査で42%にまで下落しているオバマ大統領。ねじれた議会と巨額の財政赤字を抱えて来年秋の大統領選挙に向けたイバラの道が続く。