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チベット亡命政府の新首相にセンゲ氏が就任

2011年8月8日 22:25

 政治的な引退を表明したチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世に代わって、亡命チベット人政府の指揮を執る首相に、新たにアメリカ・ハーバード大学出身の研究者が就任した。

 チベット亡命政府の新たな首相に就任したのは、ロブサン・センゲ氏(43)。就任直前までハーバード大学で研究者として活躍していた。亡命政府では、これまでダライ・ラマが政治指導者を兼ねていたが、今年3月の首相選挙前に政治的な引退を表明。今後はセンゲ氏が政治権限を引き継ぎ、亡命政府を指揮する。

 センゲ氏は、就任式でこれまでと同じく、中国からの独立ではなく、高度な自治を求める「中道路線」をとることを表明。「平和的な解決を信じている」と中国に対話を呼び掛けた。しかし、亡命政府を「違法組織」と呼ぶ中国との対話実現は当面厳しいとみられる。