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護摩木に被災地の松、京都の「送り火」中止

2011年8月9日 20:03
護摩木に被災地の松、京都の「送り火」中止

 京都の「五山の送り火」で燃やすはずだった松の木が8日、岩手県内で「迎え火」として燃やされた。

 岩手・陸前高田市で燃やされた松の木は、津波で流された名勝「高田松原」の松で作られた約330本の護摩木。護摩木には、東日本大震災の犠牲者の名前などが書き込まれ、当初は、京都の「五山の送り火」で燃やし、犠牲者の冥福を祈る予定だった。しかし、京都市内での実施に対し、放射能汚染を心配する声が寄せられ、計画した大文字保存会が中止を決定し、8日夜、陸前高田市内で「迎え火」として燃やされた。

 一方、護摩木からは放射性物質が検出されておらず、過剰反応だなどとして、中止を批判する声が京都市役所に寄せられている。その数は約470件に上っている。

 京都市・門川大作市長は「この度の大文字保存会の決定は極めて残念であり、寂しい限りです。安心・安全が確認されている限り、京都で色んな被災地のものを受け入れていくのは当然のことだと思う」と述べている。