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都内で脱原発集会、大江さん「原発廃止を」

2011年9月20日 3:18
都内で脱原発集会、大江さん「原発廃止を」

 福島第一原発事故を受けて、ノーベル賞作家・大江健三郎さん(76)らが開催を呼びかけた「さよなら原発集会」が19日、東京・明治公園で開かれ、大江さんは「原子力によるエネルギーは必ず荒廃と犠牲を伴う」と「脱原発」を訴えた。

 集会は、大江さんの他、作曲家・坂本龍一さんや作家・瀬戸内寂聴さんらの呼びかけで行われたもので、「原発いらない」と書かれたプラカードなどを手に、原発に反対する市民らが全国から集結。主催者発表によると、6万人以上が参加したという。

 大江さんは壇上でスピーチを行い、「原発の電気エネルギーなしでは偉大な事業は成し遂げられないと申す人々もいます。それはウソであります。原子力によるエネルギーは必ず荒廃と犠牲を伴います」と原発の廃止を訴えた。

 また、放射性物質の飛散に伴う土地汚染や内部被ばくについて、「放射性物質で汚染された広大な面積の土地を、どのようにはぎ取るか。すでに内部被ばくしている大きい数の子供たちの健康を、どう管理するか」と問題を提起した。

 さらに、今年6月、原発再開の是非を問う国民投票を実施し、反対派が多数を占めたことで「脱原発」の道を進み始めたイタリアを取り上げ、「イタリアでは、もう決して人間の命が原発によって脅かされることはない。しかし、私ら日本人はこれから、さらに原発の事故を恐れなければならない」と訴えた。

 大江さんらは「脱原発」に向けて1000万人の署名を集めたいとしており、集めた署名は来年3月に政府などに手渡される予定。