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船内で酸欠死、運輸安全委が調査報告書

2012年4月27日 11:54

 09年に大分・佐賀関港に係留していた鉱石運搬船の貨物倉庫内で作業員3人が酸欠で死亡した事故について、国交省の運輸安全委員会は「製錬所や荷役会社が、会社の規定通りに酸素濃度の計測が行われていない実態を把握していなかった」などとする調査報告書をまとめた。

 この事故は09年6月、大分市佐賀関の「日鉱製錬」佐賀関製錬所で、鉱石運搬船の貨物倉庫に入った作業員3人が酸欠で死亡したもの。貨物倉庫の中では、積み荷の銅の原料が化学反応を起こして酸素濃度が低下していた。

 運輸安全委員会は事故原因について、酸素濃度の計測を作業員に任せていたため、製錬所や荷役会社は、会社の定めた方法で計測が行われていない実態を把握していなかった他、事故が発生した場合の対処方法も適切に指導していなかったなどとする報告書をまとめた。会社側は、事故を受けて安全確保のため2人体制で測定するなどの対策を取ったとしている。