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新出生前診断について医師らが公開討論

2012年11月13日 18:51
新出生前診断について医師らが公開討論

 妊婦の血液検査で胎児の染色体異常が高い精度でわかる新しい出生前診断について、東京・港区で13日、医師やダウン症の患者団体らが参加して、公開討論会「産科婦人科学会シンポジウム」が行われた。

 日本ダウン症協会・玉井邦夫理事長は「どういうDNAの人なら生まれてきていいのか」「ダウン症のことを説明する時、『残念ながらおなかの赤ちゃんは』という説明をしないでください」と話した。

 13日の討論では「新しい検査法を全ての妊婦を対象に行うことは控えるべきだ」といった意見や、「検査を受ける女性の不安や揺れ動く気持ちに十分に配慮すべき」だとして、仮に導入するにしても慎重にすべきとの意見が相次いだ。

 新しい検査を計画している国立成育医療研究センターの医師は「来年にも始まる検査はあくまで少人数を対象にした研究で、遺伝についてのカウンセリングの充実度と妊婦の満足度などの調査を行い、本格的に導入した際の基準を作りたい」と述べた。

 日本産科婦人科学会は、13日の討論を基に、来月、実施のガイドラインを発表する予定で、その後、一部の医療機関が新しい出生前診断の臨床研究を始める見込み。