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新出生前診断の受け付け開始 不安の声も

2013年2月23日 2:30
新出生前診断の受け付け開始 不安の声も

 命の選別になるとの議論もある中、22日、血液検査だけで胎児にダウン症など3種類の染色体異常があるかどうかがわかる、新しい出生前診断の受け付けを東京都の仲介業者が始めた。しかし、専門家からは検査方法などについて不安視する声が上がっている。

 仲介業者によると、申し込んだ妊婦はアメリカの医療機関で採血・検査を行い、費用は交通費を含まず約35万円。受け付けを開始した22日の問い合わせは約15件で、午後7時半現在、申し込みはないという。

 日本テレビの取材に対し、仲介業者は「体の状況を知る権利は誰にでもある。検査を必要とされる方のニーズを満たしたい」とコメントしている。対象となる妊婦の年齢は問わず、検査前の遺伝カウンセリングについて義務付けはしないという。

 これに対し、昭和大学病院・四元淳子認定遺伝カウンセラーは「採血だけすればやっていいというわけでは決してない。(遺伝カウンセリングがないと)不十分な情報のもとに、理解とか気持ちの準備とか、そのあたりが不十分な状況で妊婦さんがこの検査を受けられる。出てくる結果というのは非常に重いものでもあるんですよね。(遺伝カウンセリングは)必要不可欠なものと思っている」と話すなど、専門家からは不安視する声が上がっている。

 また、田村厚労相は22日、「学会といろいろな議論もしながら、そこから漏れるところに対してどう対応していくのか。当然、安全性の問題などいろいろ出てくると思います」と懸念を示した。

 厚労省は、遺伝カウンセリングなどの体制についてわからない点も多いとして、仲介業者に聞き取り調査を行う方針。