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米史上初の予算“強制削減”決まる

2013年3月2日 8:47

 アメリカで財政赤字の削減策をめぐる与野党の話し合いがまとまらず、1日、大規模な予算の強制削減が発動されることになった。経済や市民生活への影響が懸念される。

 予算の強制削減は、今年1月から発動される予定だったが、「財政の崖」をめぐる協議で2か月先送りされた。この間、与野党は強制削減に代わる財政赤字の削減策を協議してきたが、期限の1日に行われたオバマ大統領を交えた会談でもまとまらず、強制削減が発動されることになった。今年度の予算から約850億ドル(約8兆円)が削減される。

 オバマ大統領「共和党のせいで強制削減が発動される。ばかげている。(国民にも経済にも)痛みを強いることになる」

 国防費をはじめ、教育、航空関連など幅広い分野が対象となり、失業率の悪化や経済成長の減速、市民生活への影響が懸念される。

 海軍の基地を抱え、造船所が密集するバージニア州の地域では、3万人近くが失業するとも言われ、住民の間にはオバマ大統領への不信感が募っている。

 住民「共和党がこれをやってくれない、という(大統領の)言い訳は聞き飽きた」

 オバマ大統領はこの日、影響を最小限にとどめるため、野党との協議を続ける考えを強調した。しかし、両者の溝は深く、有効な対策が打ち出せるメドは立っていない。