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原発近くから避難の高齢者 死亡率2.7倍

2013年3月27日 10:12
原発近くから避難の高齢者 死亡率2.7倍

 福島第一原発近くの介護施設から避難した高齢者の死亡率が避難前の2.7倍に達していたとの調査結果が発表された。

 これは、東京大学の研究グループが福島第一原発から23キロ圏内の福島・南相馬市の5つの介護施設に住んでいた高齢者328人の避難後の動向を、避難の経路やケアの状況も含めて調査したもの。高齢者たちは原発事故の後1~2週間で他の県に避難したが、約1年間で75人が死亡し、その死亡率は震災前5年間の平均死亡率の約2.7倍に達していた。

 研究グループは、死亡率が上昇した要因は避難の距離よりも避難先の施設のケアや食事介護の配慮にあると指摘し、すぐに避難するよりも、身体的負担の軽減や避難先のケアの充実も考慮するのが重要だと提言している。