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安倍首相、「村山談話」引き継ぐ考え示す

2013年5月15日 17:54
安倍首相、「村山談話」引き継ぐ考え示す

 安倍首相は15日の参議院予算委員会で、アジア諸国への植民地支配に「反省」と「おわびの気持ち」を表明した「村山談話」全体を、安倍内閣として引き継ぐ考えを示した。

 民主党・大河原雅子議員「村山談話、河野談話をしっかり継承していくと、すっきり国民に向けてお答えいただきたいが、いかがでしょうか」

 安倍首相「村山政権、村山談話については、これは過去の政権の姿勢、これは村山談話に対する姿勢として小泉政権があったわけでございますし、小泉談話が出されているわけでございますが、いわば政権としては(談話)全体として、これは受け継いでいくということでございます」

 村山談話をめぐっては、先日の参議院予算委員会で「侵略の定義は、学会的にも国際的にも定まっていない」とした安倍首相の発言が、国内外に波紋を広げていた。

 安倍首相は、「侵略についても植民地支配についても、否定したことは一度もない」と述べるとともに、歴史認識の問題を外交・政治問題にすべきではないとの考えを強調した。

 また、いわゆる従軍慰安婦問題で、旧日本軍の関与と強制性を認めた「河野談話」については「筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々のことを思い、非常に心が痛む。この点についても、思いは歴代の首相と変わりはない」とした上で、「官房長官からお答えするのが適切であるというのが、政権としての考え方、立場だ」と改めて述べた。

 さらに、民主党・小川議員が、金融緩和政策の副作用として最近の長期金利の上昇を指摘したのに対し、安倍首相は「政府としては、国債の安定消化などの観点から、債券市場の動向を常に注視していく」と述べた。