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農業用水や家庭の水道水も…深刻な水不足

2013年6月17日 21:53
農業用水や家庭の水道水も…深刻な水不足

 17日は徳島県那賀町木頭で34.1℃を記録するなど、各地で真夏日に。気温が高いことに加えて、雨が降らない状態が続いていることから、全国で水不足が心配されている。

 群馬県沼田市では17日、例年よりも約1か月遅い田植えが行われていた。15日に雨が降るまで、水田に引くための水が足りず、一部で田植えができなかったという。さらに同じ地域で枝豆を育てている農家は、「水分がなくて育ちが遅れている」と話している。この地域の畑や水田に引くための山からの水や雨水をためておく池は、例年の半分以下の水位しかなかった。

 農作物だけでなく家庭用の水道水にも影響が出る可能性もある。首都圏の水がめの一つ、利根川水系のダムの貯水量が例年よりも少ないことを受け、17日、対策会議が開かれた。現在、利根川水系8つのダムの貯水量は、この統計を取り始めた1992年以来、この時期としては過去最低を記録。貯水率は約52%だが、40%程度になると、河川からの取水量を抑制する取水制限が、また、30%程度になると、各家庭に送る水の量を抑える給水制限も検討される可能性があるという。

 滋賀県高島市の安曇川ではこの時期、琵琶湖から遡上(そじょう)してきたアユを捕る「やな漁」が盛んだが、今年は川が約2キロにわたって干上がってしまい、今月2日から漁ができない状況が続いているという。また、高島市では10日、民家14棟が焼ける火事があった。14棟のうち6軒はかやぶき屋根の木造家屋で、6月に入り一度も雨が降っていなかったため、かやぶき屋根が乾燥し、火の回りが早かったとみられている。

 各地で問題となっている水不足。国土交通省によると、国が管理する全国8つの河川で取水制限を行っていて、今後も渇水についての情報収集を強化するため、連絡室を設置したという。