アメリカ政府の通信情報収集を暴露したＣＩＡ（＝中央情報局）元職員のスノーデン氏が、ロシアに亡命を申請したことが分かった。

　これは、タス通信などがロシア外務省領事部関係者の話として伝えたもの。先月３０日夜、スノーデン氏と行動を共にする内部告発サイト「ウィキリークス」の活動家が、モスクワの空港内で政治亡命の申請書をロシア側に手渡したという。一方、ロシアのプーチン大統領は１日の会見で、「彼はロシアのスパイではない」と強調した上で、次のように述べた。

　プーチン大統領「スノーデン氏がロシアに居たいのであれば、１つ条件がある。我々のパートナーであるアメリカを傷付けるような事をやめることだ」

　アメリカ政府は、スノーデン氏の身柄を引き渡すよう求めているが、プーチン大統領は応じない姿勢。

　アメリカ国務省は、スノーデン氏がロシアへの亡命を申請したとの報道について、「それに関しての情報はない」としている。国務省のベントレル報道部長は、「我々は重罪の容疑がある人物に、アメリカへの片道旅券を発行する用意がある」と述べ、スノーデン氏の亡命申請を認めず、身柄を引き渡すよう重ねて求めた。