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デモ隊暴徒化、実弾使用許可 エジプト

2013年8月16日 8:07

 モルシ前大統領を支持するデモ隊の強制排除が行われたエジプトで15日、デモ隊の一部が暴徒化し、各地で警察署や政府の建物を襲撃するなど緊迫した状況が続いている。

 首都・カイロ近郊のギザで15日、モルシ派が市の庁舎を襲撃して放火、第2の都市・アレクサンドリアでもデモ隊と治安部隊が激しく衝突した。こうした事態を受けて、内務省は治安当局に対し、「自衛のため」として実弾使用の許可を与えた。

 一方、14日にデモ隊が排除された拠点では、テントやバリケードの撤去が行われた。現場には破壊された装甲車や火炎瓶が放置されており、激しい衝突の状況がうかがわれる。

 衝突による死者について、エジプト保健省は578人に上ると発表した。しかし、死者はさらに増える可能性がある。カイロ近郊のモスクには、多く遺体が安置されていた。ボランティアの医師は「搬入された遺体は約400体に上り、ほとんどが身元不明のため、政府の発表に含まれていない」と話した。

 モルシ派は16日にも大規模なデモを呼びかけており、事態は緊迫の度を増している。