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オバマ大統領「シリアへの軍事攻撃を決断」

2013年9月1日 7:36

 シリアで化学兵器が使われたとされる問題をめぐり、アメリカのオバマ大統領は先月31日、シリアへの軍事攻撃を決断したと表明する一方、実際の攻撃には議会での承認を得る考えを示した。軍事攻撃に向けた準備を急いできたオバマ大統領だが、大詰めに来て最終判断を議会に委ねた格好。

 軍事攻撃は議会の事前承認がなくても実行できることから、政府関係者は「議会の承認を得ることが選択肢にあるとは思わなかった。オバマ大統領は金曜日の夜に決断した」と話している。オバマ大統領も「多くの人々が議会の承認を得ることに反対した」と語っている。

 しかし、NBCテレビの最新の世論調査(先月28~29日)で「限定的な攻撃であっても支持しない」とする人が44%に達するなど(支持は50%)、国民の反対が根強い中で、より丁寧な手続きを選択した形。議会は現在、休会中のため、採決は議会が再開される今月9日以降になる見通し。

 オバマ政権は1日も、「アサド政権が化学兵器を使用した」と結論付ける報告書について、上下両院の議員に対して機密情報を含む詳しい説明を行うなど理解を求める方針。

 また、ロシアで5日から開かれるG20首脳会議では、軍事攻撃に対するさらなる国際社会の支持も求めていく考え。

 議会での採決は10日以上先になると見込まれる。オバマ大統領の決意に国民の理解がどこまで得られるのか、採決の行方は予断を許さない。