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「自分と作曲した人物しか知らない」

2014年2月5日 21:00

 聴力を失った作曲家として知られ、「現代のベートーベン」とも呼ばれる佐村河内守さんの楽曲が、実は別の人物が作曲したものだったと5日、佐村河内さんの弁護士が明らかにした。

 代理人の弁護士によると、佐村河内さんはこれまで、聴力を失いながらも全ての曲を自身が作曲したとしてきたが、十数年前から佐村河内さんが別の人物に楽曲の構成やイメージを伝え、実際の作曲はその人物が行っていたという。

 佐村河内さんの代表曲で広島の被爆者への鎮魂の曲「交響曲第1番 HIROSHIMA」や、ソチオリンピックで男子フィギュアスケート・高橋大輔選手が競技に使用する予定の楽曲「ヴァイオリンのためのソナチネ」なども、別の人物が作曲していたという。佐村河内さんは「この事実は、自分と作曲していた人物しか知らない」と話しているという。

 代理人の弁護士は「佐村河内自身はファンの方々を裏切り、関係者の方々を失望させるものであることについては、決して言い訳のできないことであると深く反省している」と説明している。

 佐村河内さんは「現代のベートーベン」と呼ばれ、「交響曲第1番 HIROSHIMA」のCDはクラシックとしては異例の大ヒットを記録。東日本大震災の後にも鎮魂の曲を発表していた。

 一方、佐村河内さんのCDを販売している日本コロムビアは、「本人から『自身が作曲した作品である』と説明を受けていた」「驚がくしており、大きな憤りを感じている」とした上で、佐村河内さんのCDとDVDの出荷と楽曲のインターネット配信を全て停止したことを明らかにした。