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「前進」震災統合の大槌小学校で初の卒業式

2014年3月19日 21:46
「前進」震災統合の大槌小学校で初の卒業式

 東日本大震災で校舎が被災した4つの小学校が統合し、去年の春に誕生した新しい岩手県の大槌小学校で19日、初めての卒業式が行われた。

 大槌町内の仮設校舎で行われた19日の卒業式。90人の児童が門出の日を迎えた。大槌町にあった大槌、安渡、赤浜、大槌北の4つの小学校は震災で被災したため、共同の仮設校舎で授業を行ってきた。そして、去年4月、この4校が統合して新しい大槌小学校が誕生。19日に巣立った児童たちは、第一期の卒業生となる。

 3年前に震災が発生した際、19日に卒業を迎えた学年の児童は、全員が学校から避難し無事だった。しかし、児童の半数以上はいまだ仮設住宅暮らしが続いている。

 菊池啓子校長「あなたたちの前に果てしない未来が広がっている。命を大切にし、感謝の心を忘れず自分の夢を追いかけてください」

 大震災で一変した学校生活。その中で感じたのは何気ない日常への幸せ。旅立ちの言葉には、3年前のあの日のことが盛り込まれた。

 旅立ちの言葉「4年生になることを待ち望んでいた3月11日。恐ろしい地震と津波がたくさんのものを奪っていきました」「みんなで顔を合わせて勉強できるうれしさ。何気ない友達とのおしゃべりが楽しいことなのだと気づいた」「僕たちは希望と夢をもって一歩前へ進んでいきます」「さようなら」

 卒業生たちが今年掲げたスローガンは「前進」。卒業生90人は、最上級生として、下級生を引っ張り、文字通り、新しい大槌小学校の歴史を一歩前に進めた。震災という困難に立ち向かいながら仲間と協力し、新たな歴史を刻んだ誇りを胸に、児童たちは、学び舎(や)を後にした。