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タブーの秘策も…羽田・成田の国際線増加か

2014年6月6日 21:04
タブーの秘策も…羽田・成田の国際線増加か

 今年3月に発着する国際線が拡大した羽田空港。その数が今後、大幅に増えるかもしれない。

 6日、国土交通省の委員会で中間とりまとめが行われ、2020年の東京オリンピックまでに羽田空港と成田空港の国際線が発着できる数を年間最大7万9000増やす案が発表された。さらに、オリンピックには間に合わないが、羽田と成田に滑走路を新たに建設する構想もある。

 政府は日本を訪れる外国人を増やす目標を掲げているが、羽田空港は既にパンク状態となっている。そこで、これまでタブー視とされてきた“東京上空の飛行”に切り込むことに。現在は、住宅密集地である東京を避けるため、羽田空港を離陸する便は主に東京湾上空を飛行。一方、到着便の多くは千葉上空から東京湾を経由している。そこに今回、国交省は、埼玉から回り込んで渋谷区などの東京上空を通過するルートを新たに設定しようというのだ。それにより滑走路への進入経路が増加することなどから、1日最大50便を増やせると見込んでいる。

 しかし、問題となるのが“騒音”だ。新たなルートが設定されれば、上空を飛行する地域の数も増える。その分、騒音が問題になる可能性がある。

 国交省はできる限り騒音を減らすため、東京上空の飛行時間を、離着陸の混雑がピークになる午後7時より前の時間帯で4時間に限定するとしている。

 一方、成田空港では管制の設備を最新にすることなどで、発着回数を年間最大4万回増やせると見込んでいる。さらに騒音問題から現在制限している深夜の時間帯も見直しを求める方針だ。

 今後、東京・千葉・神奈川などの自治体や住民と協議し、理解を求めていくという。