“請負人”が語った東京五輪成功への課題
2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」を成功させるためのシンポジウムが2日、東京都内で開かれた。招致活動で東京のコンサルタントとしてプレゼンテーションの演出を手がけた「オリンピック請負人」とも呼ばれる人物がNNNのインタビューにこたえ、招致成功の秘訣(ひけつ)を語った。
シンポジウムは、12年のロンドン・オリンピックの成功から学ぶというテーマで開かれ、舛添東京都知事や下村文科相らも出席した。シンポジウムには招致活動で東京のコンサルタントを務め、プレゼンテーションでのスピーチの指導などを行ったニック・バレー氏も出席した。バレー氏は、ロンドン・リオデジャネイロ・東京と3大会連続で夏のオリンピック招致を成功に導き、「オリンピック請負人」とも称されている。
ニック・バレー氏「私は熱意や情熱を表現しろとはアドバイスしない。なぜならそれはしばしば『叫び』の表現につながるからだ。魅力的にするために『リラックス』を重視する。リラックスした状態は、笑顔とともに信頼できるイメージを与える」
滝川クリステルさんのスピーチで話題となった「おもてなし」のフレーズも、バレー氏の理念に基づいた戦略だった。
ニック・バレー氏「コミュニケーションの基本はシンプルさ。短いワンフレーズを使うのは、それが一番効果的だからだ。滝川さんは素晴らしい笑顔で、ゆっくりとしたジェスチャーを交え、完璧に振る舞った」
一方、東京オリンピックに向けた今後の課題は国際的なコミュニケーション能力を身につけることだと指摘した。
ニック・バレー氏「開催2年前になれば、世界中のメディアが来て、東京五輪に対する記事を書き始める。そのスポットライトは良い意味でもパワフルだが、メッセージが明確でなければ悪い意味でもパワフルになる」
バレー氏はまた、ロンドンでの経験を踏まえ、ボランティアの育成やスポーツイベントを通じて若者らに関心を持ってもらうことが大会全体の成功につながると語った。