×

2015年 どうなる?国のエネルギー政策

2015年1月3日 23:34

 政府は2015年夏までには火力、原子力、自然エネルギーなど電源ごとの将来の比率、いわゆる「エネルギーミックス」を決定する方針だ。「可能な限り低減させる」と決めた原子力、最大限導入するとした「再生可能エネルギー」。国の本気度は?

 政府は、エネルギーミックスについて2015年1月には議論を開始、夏までに原発の再稼働状況や再生可能エネルギーの導入状況、地球温暖化問題に関する国際的な議論の状況などを踏まえ、具体的数値を決定する予定だ。2014年4月に閣議決定したエネルギー政策の方針「エネルギー基本計画」では、原子力発電をエネルギー受給の安定性を支える重要なベースロード電源としつつも、原発依存度は再生可能エネルギーの導入や火力発電所の効率化などにより「可能な限り低減させる」とした。

 一方、再生可能エネルギーについては、2013年から3年程度、導入を「最大限加速」し、その後も積極的に推進していくと明記した。しかし、その再生可能エネルギーで政府は2014年、制度を大きく転換した。これまで、電力会社に再生可能エネルギーによる電力「全て」の買い取りを義務付けていた制度を見直し、太陽光と風力については需要を上回った場合など、電力会社が必要に応じて買い取りを「拒否」できるよう変更したのだ。事業者は買い取ってもらえる電力量を見通すことができず、新たな参入にはブレーキがかかる可能性も出ている。

 そもそも、電力会社が買い取れる太陽光発電量を試算する際に前提としたのは「東日本大震災前」の原発の稼働状況だ。原発依存を減らせば、さらに多くの再生可能エネルギーを受け入れる事はでき、導入拡大は国のやる気次第とも指摘されている。政府が2015年夏までに決定するエネルギーミックスは基本方針通り、原発依存度を可能な限り減らし、再生可能エネルギーを最大限活用する姿になるのか。今後、本格化する議論を国民一人ひとりが注意深く見る必要がある。