×

「21世紀の資本」著者、消費増税に否定的

2015年1月31日 17:47
「21世紀の資本」著者、消費増税に否定的

 格差の拡大に警鐘をならす世界的なベストセラーの著者でフランスの経済学者、トマ・ピケティ氏が日本記者クラブで講演し、所得にかかわらず一律に課税する消費税の増税に否定的な見方を示した。

 ピケティ氏は、「資産を持つ者と持たぬ者の格差は拡大する」と指摘した著書「21世紀の資本」が世界的なベストセラーになっている。

 ピケティ氏は講演で、日本の消費税増税については所得にかかわらず一律に課税するもので、「経済成長を促す面であまり良い結果を生んでいない」と否定的な見方を示した。そして、富裕層への課税を重くし、若者を優遇する累進課税を強化すべきだとの持論を展開した。また、一部の層が豊かになれば、その富はいずれすみずみまで行き渡るとする「トリクルダウン理論」についても懐疑的な見方を示した。その上で、若者や女性の雇用面などでの格差是正が日本の課題だと指摘した。

 ピケティ氏の主張をめぐっては今週の衆議院予算委員会でも安倍首相と民主党が議論するなど、国会議員の間でも高い関心を集めている。